
実態に迫ることにする。 (1) 規模間移動の相関 ここでは、二つの相関係数を使って、規模間移動の相関をみる。まず、回答者に実数値で質問した現在の勤務先の従業員規模と、直前の勤務先の従業員規模との単純な相関であるpearsonの相関係数を見ると(図表4-10)、Uターン者の場合相関係数が0.29と正の相関があることがわかった。一方Uターン者以外では、サンプル数が少ないため、相関の有無はわからない。kendallの相関係数もやはり同じ傾向が見られ、Uターン者は相関係数0.23、Uターン者以外では相関の有無はわからなかった。少なくとも、Uターン者の場合は、直前の仕事の企業規模に比例して、Uターンして地元に戻ったときも同じ様な規模の企業に就職していることになる。 
前述の規模間移動の分析とあわせて考えると、大都市圏の大企業勤務という良好な雇用機会を捨てて、地元にUターンしても、やはり地元の大企業に勤められる可能性が高いことを示唆している。 (2) Uターン経験有無別の現在ならびに直前の勤務先の従業員規模 Uターン経験の有無別には、規模間移動に違いがあるだろうか。まず、現在の勤務先の従業員規模について比較してみると(図表4-11)、Uターン経験者は、1,000人〜2,999人で34.2%と高い比率であるのに対して、Uターン経験者以外は、300〜999人という中堅クラスの規模に5割以上が集中している。よりはっきりと傾向をつかむために、Uターン経験の有無別に現在の勤め先の正規従業員数の平均値を出したのが図表4-12である。Uターン経験者の現在の勤め先規模 

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